変形性股関節症
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Q
変形性股関節症とは?
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A
なんらかの原因により、股関節の軟骨が磨り減り、やがて骨の変形も生じ、股関節周囲に痛みを自覚する疾患です。 日本においては、股関節の形成不全が原因であることが多く、加齢とともに股関節の変形が進行し、症状が徐々に増強します。
「歩くと痛い」「夜にうずく」「片足が短くなった」「靴下の着脱がむずかしい」などの自覚症状があります。
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Q
どのような治療法がありますか?
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A
症状に応じて様々な治療方法があります。薬物療法、関節内注射、運動療法、装具療法、手術療法などです。
当院では運動療法を基本として、薬物療法やインソール・靴装具の補助療法を併用しております。 変形が進行すると脚の長さに差が生じたり、股関節の動きが制限されたりしますので、脚に合わせたオーダーメイドの靴を作ることを勧めております。
これにより、脚の長さの差が補正され、荷重時の安定性が増し、地面の蹴りだしが容易になることで、歩行時の負担が軽減されて症状の緩和につながります。
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Q
手術治療の具体的な方法は?
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A
比較的若年者で股関節の軟骨の変形が軽度な患者さんに対しておこなわれる骨切り術や中高年者で変形が高度な患者さんに対しておこなわれる人工関節置換術などがあります。
当院では主に人工股関節置換術を行なっております。 この手術による除痛効果、歩行改善効果は 著明であることから、手術を受けられた患者さんにとって満足度の高い手術の一つといえます。
しかし、人工関節は作り物であり、近年、人工関節の耐久性は飛躍的に改善されたとはいえ、長期使用による人工関節のゆるみや破損の問題が残されております。 また、可能性は低くとも血栓症や人工関節部の感染など重篤な合併症を生じる恐れもあります。 どのような手術にもメリットもあればデメリットもありますので、担当医と十分に相談し信頼関係を築いた上で、手術を受けていただく ことをお薦め致します。当院の人工股関節置換術は、体への負担が少ない最小侵襲手術(MIS)を施行しております。
皮膚の手術創は6cm~12cmで、股関節周囲の筋肉の切離を極力少なくしております。
この方法は当院の関連施設である湘南鎌倉人工関節センターの方法に準じております。 手術前、手術後の定期的な治療は当院で行ない、手術を湘南鎌倉人工関節センターにて受けることも可能ですので、お気軽にご相談下さい。