変形性膝関節症とは?
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Q
変形性膝関節症とは?
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A
加齢による影響や膝のケガなどの影響で、膝の軟骨や骨がキズつき膝痛を生じる疾患です。
「歩くと痛い」「しゃがめない」「正座ができない」「膝が完全に伸びない」「O脚が目立つようになってきた」などの自覚症状があります。
膝痛で悩まれて外来に受診される方はとても多く、その中で変形性膝関節症と診断を受ける方は半数以上となります。 とくに中高年者の方はこの診断を下されることが多いのです。
しかし、この診断の中には、変形がほとんどない方から高度な変形が認められる方まで、軽度の痛みから強い痛みを感じている方まで、様々な状態があり、一概に変形性膝関節症とくくれるものではありません。 変形性膝関節症と診断を受けている場合でも痛みの主体が膝関節周囲の腱鞘炎であったり、半月板損傷であったり、と骨や軟骨の変形が症状の主体でないこともあります。当院では変形性膝関節症という診断だけでなく、現在の痛みがどこから生じているのかを突き止めることが大切であると考えております。 痛みの主原因を把握することで有効な治療法を選択することが可能になるからです。 現に、変形性膝関節症と診断され治療を受けている患者さんの中で、MRIなどの検査の結果、症状の主たる原因が半月板損傷であることがわかり、 それに対する治療を行ない、症状が消失するケースも少なくありません。
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Q
どのような治療法がありますか?
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A
症状に応じて様々な治療方法があります。薬物療法、関節内注射、運動療法、装具療法、手術療法などです。
当院では、良い治療法は、根本的な治療法であり、一時しのぎの治療法ではないという考えから、痛み止めなどの薬物療法は補助的に用い、関節機能を根本から改善させる運動療法に重点をおいております。 その上で、膝関節の軟骨保護作用のあるヒアルロン酸の関節内投与やO脚を防止するインソール(足底板)療法を併用するなど多角的アプローチを行なっております。
これらは一つ一つ行なうのではなく、併用することで効果が増強されます。
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Q
手術療法の具体的な方法は?
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A
手術以外の治療法を基本としておりますが、症状によっては手術治療がとても有効なケースがあります。
手術も患者さん一人一人に合わせた方法があり、日帰りで行なう鏡視下手術(1cm以下の小さな傷から内視鏡下にて行なう手術)、 O脚をX脚にする骨切り術(改善にはある程度期間がかかりますが、術後に正座ができる可能性があるなどメリットが高い手術です。入院期間3-4週)、 高度な変形を改善する人工関節手術(歩行障害が高度であっても手術により、痛みが大幅に軽減され歩行が大きく改善します。入院期間2-3週)などがあります。
手術にはメリットもあればデメリットもありますので、担当医と十分に相談し信頼関係を築いた上で、手術を受けていただくことをお薦め致します。