なるほど健康講座04「始めよう! ウォーキング(4)」
大沼 寧 山形徳洲会病院 整形外科部長
始めよう! ウォーキング(4)
山形県は生活習慣病による死亡率が全国2位という不名誉なデータがあることを知っていますか?
かつては「成人病」と呼ばれた高血圧症、糖尿病、高脂血症などの疾患は、運動不足、不適切な食生活、喫煙、過度の飲酒など生活習慣の・ゆがみ・が原因。これらの疾患は自覚を促す意味合いも込めて1996年から「生活習慣病」と呼ぶようになりました。
健康づくりを目的とした運動として、「ウォーキング」をおすすめしています。体に負担が少なく、手軽に始められる運動であり、生活習慣病の予防や改善の効果も実証されています。
今号と次号の2回に分け、ウォーキングの際に重要な働きをしている膝の健康についてお話しましょう。
膝痛・腰痛は人間の宿命
人間は四足歩行から二足歩行へと進化したことと引き換えに、膝や腰に多大な負担を強いられるようになりました。膝痛や腰痛は人間の宿命とも言えます。
避けられない宿命ならうまく付き合う方法を知ることが大切です。健康のために始めたウォーキングで膝を痛めてしまったなどということがないようにしたいものです。
膝関節はデリケート
膝関節は、足関節や股関節と比べると、骨による連結がゆるいうえに動く範囲が広く、《あそび》が大きい関節です。
つまり、ケガをしやすい関節であるとともに、加齢の変化も受けやすく、年齢とともに膝関節のクッションである軟骨が磨り減っていきます。
大腿四頭筋を鍛えて膝を守ろう
この痛めやすい膝を守っているのが膝周囲の筋肉です。特に膝を伸ばす筋肉である「大腿四頭筋(だいたいしとうきん=太ももの前の筋肉)」が重要です。
皆さんの大腿四頭筋力は十分でしょうか? 次号では筋力チェックとトレーニング方法を紹介します。
2007年(平成19年)3月23日 金曜日 第12号 6面より