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医療講演・メディア記事

なるほど健康講座10「膝の話(4)」

大沼 寧 山形徳洲会病院 整形外科部長

膝痛が続いた時に病院に行った場合、どんな診察→検査→治療がなされるのでしょうか?
おおよそのことを知っていると多少は不安も軽くなると思われますので、ここでお話しておきましょう。

1.問診

問診で主に聞かれることとその回答例

まず初めに、膝痛の原因を調べることから始まります。医師の問診では膝痛の状態について聞かれます(表1)。

2.診察

膝の診察で主に調べられること

次に実際に膝の診察となります。診察は膝だけでなく下肢全体を診察する場合もありますので、膝周囲を無理なく出せる服を着ていくことが賢明でしょう。
病院によっては診察用の半ズボンを用意しているところもあります。面倒に思い、無理やりズボンをまくり上げて膝がギリギリ見えるような状態は診察には不適です。診察では実際の膝の状態が調べられます(表2)

3.検査

レントゲン写真

次は検査です。レントゲンでは主に骨の状態を調べます(図1)。
レントゲンでは軟骨は写し出されないので、骨の状態から軟骨の損傷具合を推察します(図2)。
磁気共鳴画像装置(MRI)検査はレントゲンでは写し出せない軟骨、半月板、靭帯(じんたい)などの状態を調べます(図3)。膝に水(関節液)が貯留している場合には、水を抜いて関節液の検査を行なうこともあります。

4.治療

診察と検査によって原因が判明すると治療が開始されます。運動療法(リハビリテーション)、装具療法、薬物療法、注射療法、手術療法などの中から患者の膝の状態に合わせて治療法を選択します(表3)。

治療法

最近の信頼性の高い研究によれば、膝痛の原因で最も多い変形性膝関節症に対しては運動療法が効果的だということが実証されました。膝の治療の主役は運動療法にあるといっても過言ではありません。
病院や自宅で行なう運動療法を中心に、装具療法、薬物療法、注射療法を補助的に組合せることで膝機能の改善を図ることをお勧めします。
次回は、変形性膝関節症に対する運動療法の実際についてお話しましょう。

2008年(平成20年)1月11日 金曜日 第32号 6面より

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