靴・インソール療法
靴の不具合は、足の痛みを誘発するだけにとどまらず、膝痛、股痛、腰痛、肩こりをも引き起こします。逆に、最適な靴を履くことで、長い間続いていた痛みから解放されることもあります。現に、手術が必要と思われる変形性股関節症や変形性膝関節症の患者さんの症状が靴により著明に改善することを経験します。人間は1日5千~1万歩の歩行をしています。このため1歩1歩の不具合が積み重なると様々な障害を引き起こす可能性があるのです。一人ひとりの足に合わせたオーダーメイドの靴やインソール(足底板)は障害の予防や治療に大変効果的です。当院では、靴装具・インソール(足底板)の処方・製作においては、ドクターの正確な診断と指示のもとに装具製作者の長年の経験と最新の技術が駆使されて作製されます。
※処方装具は医療保険が適応されます。
靴・インソール外来の測定機器や工具
変形性股関節症の患者さんに処方した靴および足底装具
変形性股関節症の患者さんの股関節は動く範囲が制限されていることが多く、股関節周囲の筋力の低下、脚の長さに差があることも多くみられます。
靴および足底装具には、立位時の安定性、歩行の蹴りだしのサポート、脚の長さの差を補正する工夫がなされています。
変形性股関節症の患者さんに処方した靴および足底装具
変形性膝関節症の患者さんの多くには、進行性のO脚が認められます。
歩行時には、O脚が増強するような動きが認められます。
靴および足底装具によって、歩行時の安定性をはかると同時に、荷重が足裏の外側から内側にかかるようにすることで、歩行時痛の軽減効果およびO脚の進行予防効果が発揮されます。
関節リウマチの患者さんの足の障害の多くは、足の前方部分と足関節に認められます。特に、足趾のつけねの部分の関節は変形しやすく、足裏側に骨が突出しタコが形成され、荷重時にとても痛くなります。 靴および足底装具によって、足関節をサポートするとともに、足裏の骨が突出している部分には、柔らかい特殊素材を使用し、荷重時の痛みを軽減します。
プロスポーツ選手に処方した競技用インソール
スポーツ選手用のインソールは、スポーツパフォーマンスの向上を図り、スポーツ傷害の予防や治療にも効果を発揮します。
スポーツ種目の特性に合わせて作製します。
例えば、陸上の長距離選手用のものであれば、ランニングの接地時の足のゆがみを抑えつつも軽量なものでなければなりません。
サッカー選手用であれば、あそびの少ないサッカーシューズに入れても窮屈でなく、足の動きを妨げないものでなければなりません。