ご挨拶
はじめまして。整形外科の富樫です。近年の人工膝関節の進歩は目覚ましく、整形外科の中においても専門性の高い知識と技術が必要になってきました。また、手術を受けられる方も右肩上がりに増加しています。限られた時間の中で、高度な治療を数多く行い、日々アップデートされる情報や技術を吸収するには、人工膝関節に特化した部門の開設が望まれます。
そのような状況を鑑みて、2020年10月、山形徳洲会病院に人工膝関節センターを開設することになりました。膝の痛みで悩んで居られる方々のお役に立てればと思っております。
はじめに
良い治療には正確な診断が不可欠です。どの疾患でも正確に診断されていなければ、正しい治療はできません。
また、原因が一つではなく多岐にわたっている場合もあり、それらがオーバーラップしているケースも散見されます。
当センターでは診断に必要な最新鋭の検査体制を整え、日々正確な診断を下せるよう努めております。
変形性膝関節症とは
膝が痛くて病院に行ったら、骨が変形しているとか軟骨がすり減っていると言われたことはありませんか?
変形性膝関節症とは加齢や外傷など様々な原因により、膝の関節軟骨の変性や損傷が進行し骨の変形が進んでいく病気です。
最初は関節の痛みや腫れが生じます。一般的に、症状は徐々に強くなる事が多く、次第に筋力低下や関節の動きが悪くなり日常生活に支障が生じるようになります。
治療は保存療法から開始し、効果が得られない場合は手術による治療を行います。
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変形性膝関節症の原因
- 加齢による軟骨の変性
- 外傷による軟骨や靭帯損傷
- 肥満
- 関節リウマチなどの炎症性疾患
保存療法
残念ながら変形した骨や傷んだ軟骨を再生する方法は現時点ではありません。しかし痛みは手術以外でも軽減することは可能です。
生活指導
膝に負担のかかることを、出来るだけ避けるようにしましょう。どうしてもやらなくてはならない時は、工夫をして負担を軽減しましょう。
ダイエット
体重は歩いたり走ったりする時には、そのまま膝への負荷となります。状況によっては3〜6倍の負荷がかかります。正しい方法でダイエットに取り組みましょう。
投薬、注射
痛み止めを内服することで、痛みを和らげる事ができます。関節内への注射も有効な事がありますが、感染を引き起こす事がありますので注意が必要です。
リハビリテーション(理学療法)
専門の理学療法士の指導の元、筋力の回復や固くなった組織をほぐすことで痛みの軽減を図ります。手術する、しないに関わらず、必ず必要な治療で効果も期待できます
装具
手術
関節鏡
直径4ミリのカメラで膝の中を観察し、傷んだ軟骨を処置する手術です。適応や効果には限界がありますが、入院期間や回復までの時間が短く済むという長所があります。
人工膝関節置換術
すり減ったり変形した骨の表面を金属やセラミックに置き換える手術です。痛みを取り除くことを目的として行います。その上で、出来るだけ元の膝に近い使い勝手を得ることを目標としています。
そのためには膝にある4つの靭帯を温存する必要があると考えています。もちろん既に靭帯を失った方や変形が高度な方も諦める必要はありません。当センターでは人工膝関節単顆置換術・人工膝関節全置換術のどちらも対応しています。
一人ひとりのライフスタイルに合わせた機種選択ができることが好ましいと考えています。
カスタムメイドの機器
正確な手術をするために
ポータブルナビゲーション
Signature
4つの靭帯を温存するタイプ
高度な変形の場合
骨切り術
治療の流れ
Step1 外来受診
診断後、治療方法の選択・説明
Step2 術前検査
術前画像・採血・心電図・心エコーなど
Step3 総合評価
必要時他科専門外来コンサルト
患者個人に合った手術方法の選択・説明
Step4 入院オリエンテーション
スタッフから入院の説明を受けます
Step5 入院
手術・リハビリテーション
Step6 退院
Step7 外来通院
まずはお気軽に外来へお越し下さい。