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医療講演・メディア記事

なるほど健康講座05「始めよう! ウォーキング(5)」

大沼 寧 山形徳洲会病院 整形外科部長

始めよう! ウォーキング(5)

生活習慣病による死亡者数 山形県は生活習慣病による死亡率が全国2位という不名誉なデータがあることを知っていますか?
かつては「成人病」と呼ばれた高血圧症、糖尿病、高脂血症などの疾患は、運動不足、不適切な食生活、喫煙、過度の飲酒など生活習慣の・ゆがみ・が原因。これらの疾患は自覚を促す意味合いも込めて1996年から「生活習慣病」と呼ぶようになりました。

前回、膝痛や腰痛は二足歩行の人間に与えられた宿命とも言えるもので、特に「膝」の関節はケガをしやすい関節だとお話しました。
ウォーキングに重要な役割を担う膝を守るのがその周囲の筋肉。中でも重要なのが、膝を伸ばすための「大腿四頭筋(だいたいしとうきん=太ももの前の筋肉)」です。
皆さんの大腿四頭筋力は十分でしょうか? 今回は筋力のチェックと筋力トレーニングの方法を紹介します。

「片足起立テスト」で筋力を計ろう

片足起立テストの図
[図1] 片足起立テストの図

大腿四頭筋の筋力は起立動作を行なうことで、大まかな目安がわかります。腕組みをした状態で、両足または片足で立ち上がるテストです。(図1)。まずは20センチの高さのイスから両足でふらつかずに容易に立ち上がれますか? この動作は、歩行に必要な筋力の目安となります。40センチの高さから片足で立ち上がれますか?この動作は、日常に必要な筋力の目安となります。30センチはどうでしょう?ジョギングなどの軽いスポーツに必要な筋力の目安となります。ご自分の筋力を大まかに知り、無理な運動を控え、適度な運動で徐々に筋力を鍛えていくことが大切です。筋力が弱いと感じた方には、大腿四頭筋訓練(図2)などの筋力トレーニングをお薦めします。

大腿四頭筋訓練の図
[図2] 大腿四頭筋訓練の図

仰向けになり、片膝を立てます。足をまっすぐしたまま床から20~30センチ持ち上げ5秒~10秒間静止。ゆっくりおろし、再び持ち上げる。これを10回~20回繰り返します。膝関節を動かさないで行なう筋力訓練なので、関節を痛める心配がありません。

膝に負担のないウォーキングの心得

ウォーキングに話を戻しましょう。
膝を痛めず、膝を鍛えるウォーキングのポイントを挙げます。

  1. 力まず楽に歩くこと
  2. 膝への過度な負担を避けること。(無理なく平地歩行から始めること。階段や坂道歩行は要注意)
  3. 適度に歩くこと。(痛みの増強がない範囲で行なうこと。長時間歩行は要注意)
  4. 足に合った靴を履くこと。

2007年(平成19年)4月13日 金曜日 第13号 6面より

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